蓄電池と消防法

蓄電池と消防法の関係とは?

蓄電池は扱い方を間違えると周囲に危険が及ぶ恐れがあります。消防法を守って正しく運用することが重要です。
そこで今回は、蓄電池の危険性や消防法との関係について紹介します。
蓄電池を設置する際の消防法の適用条件や届け出の方法を理解すれば、安全に蓄電池を扱えるでしょう。

蓄電池には発火や爆発の危険性がある

家庭用蓄電池でもリチウムイオン電池を使用しています。スマートフォンと同様に発火や爆発の危険性があるため、扱いには注意しなくてはなりません。設置の際は消防法の安全基準を満たす必要があります。
ただし、スマートフォンが簡単に爆発しないように、蓄電池も消防法を守って適切に扱えば事故のリスクは回避できるでしょう。

消防法とは

火災を警戒・予防し、国民の生命や身体、財産を保護するために制定された法律です。災害発生時の傷病者の扱い方も含まれます。

蓄電池を設置する際の消防法の適用条件

自宅に蓄電池を設置するときは、消防法の適用条件をクリアしなければなりません。条件は多岐にわたるため、全てを把握している方は少ないでしょう。ここでは、蓄電池を設置する際の消防法の適用条件について分かりやすく解説します。

家庭用蓄電池は4800Ah未満となっている

個人が自宅に設置する家庭用蓄電池の容量が20kWh未満である場合が多いのは、消防法により4800Ah未満と定められているためです。4800AhはkWhに換算すると17.76kWhに該当するため、多くの家庭では20kWh未満を設置しています。

4800Ah以上の機種の設置も可能ですが、煩雑な手続きが必要なため、あまり一般的ではありません。施工業者も推奨していない場合が多く、特別な理由がない限り、4800Ah未満の蓄電池を選ぶのが無難です。

燃えにくい素材の床に設置する

蓄電池は燃焼しにくい床に設置する必要があります。例えば、木製の床のように燃えやすい素材だと、発火して破裂した際に延焼する危険性があるためです。
さらに、蓄電池は耐酸性の床材の上に設置するように定められています。リチウムイオン電池は希硫酸と水素ガスを発生しやすいため、このような措置が取られていますが、アルカリ蓄電池は対象ではありません。

金属製の床材の場合は通気性が必要となる

金属性の床材の上に設置する場合、通気性を確保する必要があります。金属製の床は熱がこもりやすいため、台座の上に設置するといった熱を逃がす工夫をしましょう。
ただし、設置用の台座を置くにはある程度の開けたスペースが必要です。台座の上に設置するのが難しい場合、金属製ではなく、かつ燃焼しにくい土間のような床に設置しましょう。

換気しやすい環境を確保する

蓄電池を屋内に設置すると、蓄電池から発生する熱がこもりやすい状態になります。通気性の悪い環境下では、ほこりのような可燃性の微粉に引火して火災に発展する恐れがあるでしょう。排熱とほこりの除去のためには、換気設備を設ける必要があります。

蓄電池は窓や換気扇のそばに設置して、熱がこもったらすぐに換気できるようにするとよいでしょう。

ダクトや配線が壁を貫通する場合は燃えにくい素材で埋める
蓄電池の置き場所によっては、壁に穴を開けてダクトや配線を通さなければならないケースもあるでしょう。

このような場合、穴の隙間を不燃性の素材で埋める必要があります。蓄電池のパーツと壁がじかに接していると、壁を貫通するパーツが熱を持ったとき、燃焼して火災を招く恐れがあるためです。大切な家を守るため、しっかりとした防止策を施しましょう。

見出し屋外に設置する場合は建築物から3m以上離す

蓄電池を屋外に設置する際には、建築物との距離を3m以上確保しなければなりません。蓄電池は熱を持ちやすいため、建築物から距離を離しておかないと発火したときに延焼する危険性があります。燃えやすい物を蓄電池の近くに置かないことも大切です。
ただし、不燃性素材を使用している機種や10kW未満の機種には、間隔を空ける決まりはありません。スペースを確保できない場合、これらの機種を選ぶのもよいでしょう。

浸水しない場所に設置する

電気を蓄えている蓄電池は、浸水すると漏電の危険性があります。本来は電気が流れることを想定していない部分に電気が漏れるため、近づいた際に感電する恐れがあり大変危険です。
蓄電池は漏電を検知して自動で電気を遮断する漏電ブレーカーを備えています。しかし、漏電の根本的な原因を取り除くのが最も安全です。蓄電池を設置する際は、浸水しない場所を選びましょう。

転倒や落下の防止対策をする

蓄電池に強い衝撃を与えると故障の原因になるため、しっかりと固定して落下や転倒を防ぐことが大事です。蓄電池設備に係る規定では、「振動又は衝撃により、容易に転倒し、落下し、破損し、又はき裂を生じず、かつ、その配線、配管等の接続部が容易に緩まない構造としなければならない」とあります。

蓄電池が故障すると、金銭的に多くの負担がかかるでしょう。故障を防ぐためにも転倒や落下の防止対策は十分に行う必要があります。

蓄電池にはみだりに近づかない

特に理由もなく蓄電池に近づくのは危険です。蓄電池や人体の安全を守るためにも、必要なとき以外は近づかないことを徹底します。特に、子どもやペットが蓄電池に触らないように注意しましょう。

基本的にメンテンナンスを担当する人員以外は、みだりに近づかないのが無難です。近づいただけで事故が起こるわけではありませんが、できる限りリスクを排除する意識を持つことが事故の抑制につながります。

蓄電池については、設置の際に十分な業者の説明が必要となります。
詳しくはどうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。

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